永野裕之のBlog

永野数学塾塾長、永野裕之のBlogです。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)誕生秘話と証明

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三平方の定理(ピタゴラスの定理)については、拙書『大人のための中学数学勉強法

』に詳しく書きました。一部を抜粋します。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)の誕生秘話

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ピタゴラスはギリシャのサモス島というところで生まれました。このサモス島のヘーラー神殿というところを散策していたときのことです。足元に敷き詰められた下の図ようなタイル貼りを見て、ピタゴラスはあることに気づいたそうです。

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実にシンプルな模様です。でも、ピタゴラスはこの模様から

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と一辺が { \displaystyle a}の正方形の面積( { \displaystyle a^2})4つ分の半分(つまり2つ分)は一辺が { \displaystyle c}の正方形の面積グレーの正方形の面積( { \displaystyle c^2})に等しいことを発見するのでした。すなわち、

{ \displaystyle 2 \times a^2 = c^2 }

{ \displaystyle \Rightarrow a^2 + a^2 = c^2 }

です。これは直角二等辺三角形の場合の三平方の定理ですね!

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やはり、ピタゴラスは只者ではありません。

ちなみに、上のタイルを一般の直角三角形に応用した図は

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です。ここで面積が

大きな正方形=小さな正方形+直角三角形×4

になっていることに注目すると、大きな正方形の一辺は{ \displaystyle a+b}、小さな正方形の一辺は{ \displaystyle c}ですから、

{ \displaystyle (a+b)^2 = c^2 + \frac{1}{2} ab \times 4 }

展開すると

{ \displaystyle a^2 + 2ab + b^2 = c^2 + 2ab }

{ \displaystyle \Rightarrow \ }{ \displaystyle a^2 + b^2 = c^2 }

ですね!(∩_∩)

ちなみにピタゴラスの定理には、100以上の証明があると言われています。『大人のための中学数学勉強法』では、その中からユークリッド式と呼ばれるものと、アインシュタイン式と呼ばれるものも紹介しました。興味のある方は、以下のサイト(英語ですが)にたくさんの証明が載っていますのでどうぞ。

Pythagorean Theorem and its many proofs

↓参考までに(⌒-⌒)


Pythagoras in 60 Seconds - YouTube

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*1:photo by Wolf Gang