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高等学校指導要領(案)の数学のまとめ(新設される内容など)

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2018年2月14日に発表された高等学校指導要領(案)*1の数学についてまとめてみました。

まず目につくのは統計教育の更なる充実です。「数学Ⅰ」のデータ分析の単元に仮説検定の内容が盛り込まれます。また、「数学B」のベクトルが新設される「数学C」に移行することによって、文系の多くも履修する「数学B」において「統計的推測」を選択する生徒が増えることでしょう。*2

各単元でコンピュータを利用する内容が増えていることも目を引きます。

さらに、現行の「数学活動」は廃止されるため、数学A、数学B、数学Cにそれぞれ日常や社会の中の数学を意識させる内容が新設されました。

 

 赤字:新設される内容。

【数学Ⅰ】 

(1)数と式

(2)図形と計量

  • 鋭角の三角比
  • 鈍角の三角比
  • 正弦定理と余弦定理

(3)二次関数

  • 二次関数の値の変化とグラフ《一部コンピュータを利用》
  • 二次関数の最大値と最小値
  • 二次方程式の解と二次関数のグラフの関係
  • 二次不等式

(4)データの分析

  • 分散と標準偏差
  • 散布図と相関係数
  • コンピュータを利用したデータの整理と統計量の計算
  • 仮説検定の考え方

【数学Ⅱ】

(1)いろいろな式

(2)図形と方程式

  • 内分点、外分点、二点間の距離
  • 直線と円の方程式
  • 軌跡《一部コンピュータを利用》
  • 不等式の表す領域《一部コンピュータを利用》

(3)指数関数・対数関数

  • 指数の拡張
  • 指数関数の値の変化とグラフ
  • 対数の基本性質
  • 対数関数の値の変化とグラフ

(4)三角関数

(5)微分積分の考え

【数学Ⅲ】

(1)極限

  • 数列の極限
  • 無限級数
  • 分数関数と無理関数
  • 合成関数と逆関数
  • 関数の極限

(2)微分

(3)積分

【数学A】

1)図形の性質《一部コンピュータを利用》

  • 三角形の性質
  • 円の性質
  • 空間図形の性質
  • 作図

(2)場合の数と確率

  • 集合の要素の数
  • 順列
  • 組み合わせ
  • 確率の意味と基本法
  • 期待値
  • 独立試行の確率
  • 条件付き確率

(3)数学と人間の活動

※(1)から(3)より適宜選択

【数学B】

(1)数列

(2)統計的な推測

  • 標本調査
  • 確率変数と確率分布
  • 二項分布と正規分布
  • 区間推定
  • 仮説検定

(3)数学と社会生活

  • 社会生活における問題解決と数学
  • 日常や社会の事象のモデル化

※(1)から(3)より適宜選択

【数学C】

(1)ベクトル ←現数Bから移行

  • 平面ベクトルの意味と相等
  • 平面ベクトルの和、差、実数倍
  • 位置ベクトル(平面)
  • 平面ベクトルの成分表示
  • 内積
  • 空間ベクトル

(2)平面上の曲線と複素数平面 ←現数IIIから移行

  • 放物線、楕円、双曲線《一部コンピュータを利用》
  • 曲線の媒介変数表示《一部コンピュータを利用》
  • 極座標《一部コンピュータを利用》
  • 複素数平面
  • 複素数平面の極形式
  • 複素数の計算と図形的な意味
  • ド・モアブルの定理

(3)数学的な表現の工夫

  • 図、表、統計グラフの利用
  • 離散グラフの利用
  • 行列の利用

※(1)から(3)より適宜選択

パブリックコメント

なお、文部科学省は、今回の改正案についてパブリックコメント(意見募集)を行っています。

search.e-gov.go.jp

*1:2022年度(現小学5年生が高校生になる年度)より実施予定

*2:現「数学B」はベクトル、数列、統計的推測の3単元で構成されていて、ベクトルと数列の2単元を履修する生徒が多い