永野裕之のBlog

永野数学塾塾長、永野裕之のBlogです。

「積分」は、バラバラになった世界を繋ぎ止める「愛」なのだ——新刊『読むだけでわかる「積分」』(ブルーバックス)に込めた想い。

2026年2月19日に新刊『読むだけでわかる「積分」 理解すれば、本質が見えてくる (ブルーバックス)』が出ます。

先月出た『微分』編の続刊になります。

以下は出版社(講談社)が付けてくれた紹介分です。

多くの人がつまづく積分。それを入門編、中級編、上級編の3編に分け、読むだけで段階的に理解できる一冊にまとめました。まずは、「積分」とは何か? その考え方を数学の歴史にも触れながら、わかりやすく解説していきます。入門編は、まさに読み物としての面白さがあり、タイトルの通り、「読むだけ」で積分の考え方、成り立ち、積分の基本がわかります。中級編は、定積分の数学的な証明から置換積分、部分積分などの応用的な積分を解説。「なぜそうなるのか」を順を追って解説していくので、基本がより深く理解できます。「入門編」で理解したことをさらに深めることができます。そして上級編は、量子力学の「波動関数」から「フーリエ変換」「ガンマ関数」「重積分」「ガウス積分」まで。天気予報から、CG制作、CTスキャンの解析など、日常のあらゆるところに潜んでいる「積分」が身近なものになる一冊です。

積分が嫌いだったあなたへ。∫を忘れて、物語からやり直そう

「積分」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。

謎の記号 ∫、やたら長い式変形、そして最後に残る「何の役に立つの?」という後味。

もしそうなら、最初に「無罪判決」を出しておきます。

あなたが積分でつまずいたのは、あなたの理解力が足りなかったからではありません。多くの場合、原因はもっと単純です。

最初に微分、次いで積分という教科書の登場順が逆だった。ただそれだけです。

今回、拙著『読むだけでわかる「積分」』 では、学校の積分をいったん忘れてもらいます。

紙と鉛筆も、まずは要りません。計算練習もありません。

ただ「読む」だけで、積分の“心”に触れていただく。

それこそが、本書の目指すところです。

 

記号を操る前に、意味をつかむ。

公式を覚える前に、発想を知る。

 

もう、「意味の見えない計算ゲーム」に振り回されるのは終わりにしましょう。

積分は本来、世界をなめらかにつなぐ、美しい思考の道具です。

この本で手に入るもの

忙しい方のために、先に結論を書きます。この本で手に入るものは以下の通りです。

  1. 積分を「微分の逆」としてではなく、「面積とは何か」から理解し直せる
  2. 「なぜそう考えるのか」を先に回収するので、公式暗記のストレスが激減する
  3. 入門→中級→上級の3部構成で、挫折しやすいポイントを踏み外さない
  4. 数式は、全部わからなくても大丈夫。難しかったら音楽みたいに流してOK
  5. 微分と積分が一気につながる瞬間(あの定理の感動)も、ちゃんと味わえる
  6. 真に美しい数学の神秘をのぞける

「積分をもう一度やり直したい。でも、あの苦い記憶が……」

そんな方にこそ、ぜひ読んでいただきたいです。

なぜ積分は難しかったのか:犯人は「教える順番」

高校数学では、まず微分を学び、その後に「その逆が積分である」と説明さます。確かにこの順序は効率的です。試験問題も作成しやすく、計算技能の訓練にも適しています。

しかし引き換えに、見えにくくなるものがあります。

この順番で学ぶと、積分は「意味」を味わう前に、「手順」として定着してしまいがちなのです。

けれども本来、積分はもっと素朴で、人間的な問いから生まれました。

・曲線に囲まれた土地の面積を知りたい。
・細かく分かれた量をすべて足し合わせたら、全体はいったいどれほどになるのだろう。

出発点は、こうした切実で率直な疑問でした。そこにあるのは、世界を理解したいという、人間の根源的な欲求にほかなりません。

本書では、その原点へと立ち返ります。

したがって、最初に登場するのは ∫ 記号でも公式でもなく、「面積とは何か」という定義そのものです。

その土台のうえで、やがて アイザック・ニュートンゴットフリート・ライプニッツ が、微分と積分のあいだに架けた橋——すなわち微積分の基本定理——の誕生へと歩みを進めます。

その物語をたどるとき、なぜこの「橋」が人類の知的遺産の中でもひときわ輝く至宝と称されるのか、その理由もまた、自然と腑に落ちるはずです。

3部構成で、挫折せずに「神秘」まで行ける

積分が難解に感じられる理由は、実のところもう一つ存在します。それは、次の三層が同時に押し寄せてくるからです。

第一に、基礎概念:そもそも面積とは何か、体積とは何かという根源的な問い。
第二に、計算技法:置換積分や部分積分に代表される操作上のテクニック。
そして第三に、背後に横たわる哲学:無限や極限、さらには多次元といった抽象的概念。

これらが整理されないまま一度に提示されれば、戸惑うのも当然でしょう。水泳を習い始めたばかりの人が、いきなり外洋へ放り出されるようなものです。息継ぎの仕方も分からぬまま、深みに足を取られてしまうのは無理もありません。

だからこそ本書では、(微分編と同様に)最初から段階を明確に分けました。読者が一歩ずつ足場を確かめながら進めるよう、理解の階梯を丁寧に設計したつもりです。

入門編:数式ほぼゼロで「積分の本質」を掴む

最優先したのはイメージです。

「少しずつでも日々貯金をする」

「雨の降り方を時間ごとに記録し、総雨量を見積もる」

「数ヶ月後の本番のために、毎日の練習に励む」

…「積み重ねの発想」は、私たちの生活の至るところに顔を出しています。積分は、その感覚を、数学として洗練させたものにほかなりません。

入門編では、細かく分割した要素を丹念に積み重ねることによって、全体像を捉えようとする考え方、それが「積分」だということを実感していただきます。

中級編:テクニックを「暗記」するのではなく「仕組み」として理解する

初級編ではイメージだけをお伝えした「微積分の基本定理」の証明にも、中級編ではしっかり取り組んでいただきます。

積分計算の可能性を広げる便利な計算法も紹介します。

ただし、狙いは結果を覚えてもらうことではなく、「仕組み」が見えるようになることです。

単なる記号の操作に見えた「置換積分」も「部分積分」も「なぜそれで計算できるのか」がはっきり見えるでしょう。

料理で言えば、「レシピ通りに作れる人」ではなく、「火加減と塩加減が分かっている人」になっていただきます。

上級編:無限の世界へ。積分が「世界を広げる道具」になる

さあ、いよいよ真に美しい数学の神秘が見えます。

最初に考えるのは「無限に続く壁を有限のペンキで塗りきることができるだろうか?」という不思議な問いです(答えはいかに?)

その後、無限と積分を繋げて、階乗の世界を拡張すれば、「−1/2 の階乗が √π になる」という景色が現れます(え、階乗って 1×2×3×… じゃないの?と思った方、正常です。その正常な感覚が裏切られるから面白いのです)。

積分は、こういうとてつもない場所へ読者を連れていってくれます。

読み方:数式は「音楽」として楽しんでください

ここで、もっとも大切な読み方の心得をお伝えします。

たとえ難解に感じる箇所に出会っても、そこで立ち止まる必要はありません。

私自身の経験から申し上げても、数学の本が最初から最後まで一度で完全に理解できることは、ほとんどありません。「読むだけ」ならなおさらです。

だからきっと本書でも「?」が浮かぶ瞬間はあるでしょう。しかし、それは決して「壁」ではありません。音楽にたとえるなら、思いがけない転調や、技巧的な速いパッセージに出会うようなものです。

すべての音符を正確に聞き取れなくても、曲全体の流れや響きは十分に味わえます。同じように、細部にこだわりすぎることなく、どうか安心してページをめくってください。

やがて読み進めるうちに、ばらばらに見えていた点と点が一本の線となって結びつく瞬間が訪れます。「あの式は、ここにつながっていたのか」と腑に落ちる時が、必ずやってきます。

どうかご安心を。必要なのは、特別な根性ではなく、肩の力を抜いてただ風景を眺める気軽さです。

現代に効く:「積分」はあなたの生活の裏側で働いている

「で、結局、積分って役に立つの?」

そんな素朴な疑問にも、正面からお答えしましょう。

積分とは、「全体量」を定めるための方法論です。連続する変化を細やかに捉え、それらを丁寧に積み重ねることで、初めて浮かび上がる全体像を描き出します。言い換えれば、部分の集積から意味ある総体を構築するための知的な装置なのです。

たとえば、降水量河川の流量の評価。時間とともに変化する微細な増減を積み上げることで、はじめて総雨量や総流量が算出されます。

医療分野では、薬剤の効果判定にも不可欠です。血中濃度は瞬間値だけでは語れません。時間にわたる「濃度の累積」、すなわち体内での総曝露量を評価することによって、薬効や副作用の強さが見えてきます。

さらに、CG画像処理の世界では、光や色の情報を細かく足し合わせることで、現実感のある質感や陰影が生まれます。滑らかなグラデーションも、実は無数の微小な計算の積分的処理の成果です。

CTスキャンでは、断層画像を重ね合わせることで立体構造を再構成します。これはまさに、断面の情報を積み上げて三次元像を復元する積分的発想の応用といえるでしょう。

このように、積分は決して机上の抽象概念ではありません。現代社会のさまざまな場面に静かに息づき、目立たぬところで確かな役割を果たしています。派手さはないものの、根幹を支える縁の下の力持ち——それが積分です。

いま必要なのは「積分的知性」かもしれない

現代社会は、あまりにも「微分的」になりすぎたと言えるかもしれません。

科学技術は専門分化を極め、私たちは細かな数値や目先の変化に一喜一憂し、効率という名のもとに時間を細切れに消費しています。

もちろん、問題を最小単位に分解して解決する「微分的な思考」が、人類に大きな恩恵をもたらしてきたことは確かです。

しかしその一方で、

「そもそも、これは何のためのものだったのか」

「全体として、どんな意味を持っているのか」

という視点を、失いつつあるようにも感じます。

今、私たちに求められているのは、積み上げ、繋ぎ合わせ、調和を見出す「積分的な知性」ではないでしょうか。それは、世界をつなぎ止める「愛」ですらあると私は思うのです。

積分とは、単なる面積計な算の道具ではありません。

まとまりのない「個」を繋ぎ、連続的な「流れ」として捉え直すための、思考の技法です。

ニュートンやライプニッツが微分積分の体系を築いたとき、彼らが見ていたのは、計算の結果そのものではなく、この世界を貫く一貫した構造の美しさだったはずです。

微分が「変化を見る目」だとしたら、積分は「全体をつかむ目」です。

両輪がそろうと、世界の見え方が変わります。

人生もまた「積分」である

私が「永野数学塾」で、あえて大人の方々に数学を教えている理由。それは、人生経験を重ねた大人だからこそ理解できる数学の深みがあるからです。

人生もまた、積分の連続です。

日々の小さな出来事は、その瞬間(ある一点)だけを見れば、取るに足らないものかもしれません。あるいは、今まさに困難の只中にいる方にとっては、あまりにも辛い瞬間かもしれません。

しかし、それらを長い区間で「積分」し、積み重ねて眺めたとき、その出来事が持っていた本当の意味に気づく日が必ず訪れます。

数学は私たちに「正解」だけでなく、「信じるに足る根拠」を与えてくれます。論理を積み上げれば、必ず辿り着ける場所がある──この確信こそが、不確実な時代を生きる私たちの、静かな、しかし力強い支えになると、私は信じています。

ぜひ、本書とともに、数学という名の美しい旅に出かけてみてください。

謝辞

最後になりましたが、前作に引き続き、本書の制作に携わってくださったすべての方々に感謝いたします。学生の頃から憧れ、育ててもらったブルーバックスの輝かしいラインナップの末席に加えていただくことができたのは、本当に光栄なことです。

とりわけ、文系のご出身で、読者目線から貴重なアドバイスを下さり、根気強く私の筆を支えてくださった編集担当の森定泉さん、本当にありがとうございました。

目次(抜粋)

入門編

第1章 面積と定積分
    ◦ 面積の「新定義」=定積分
    ◦ 「逆微分」とは?
    ◦ 不定積分とは

第2章 微積分学の基本定理とは?
    ◦ 微積分学の基本定理のイメージ①

第3章 微積分学の基本定理の実践
    ◦ 《例1》円の面積と円周
    ◦ 《例2》球の体積と表面積
    ◦ 定積分

コラム① 日本人と微分積分

中級編

第4章 面積の「新定義」を確かめる
    ◦ 《例》三角形の面積
    ◦ 原始関数一覧

第5章 微積分学の基本定理
    ◦ 微積分学の基本定理のイメージ②
    ◦ 微積分学の基本定理の証明①
    ◦ 定積分の計算公式の証明
    ◦ 定積分の計算例

第6章 積分テクニック(1)置換積分
    ◦ グラフの平行移動
    ◦ 無理関数
    ◦ 置換積分の例
    ◦ 置換積分とは
    ◦ 置換積分がうまくいく形

第7章 積分テクニック(2)部分積分
    ◦ 部分積分とは

コラム② 積分と無限

上級編

第8章 微積分学の基本定理の証明②
    ◦ 広義積分
    ◦ 広義積分①:無限積分
    ◦ 広義積分②:特異積分

第9章 ガンマ関数とは何か?
    ◦ ガンマ関数とは
    ◦ ガンマ関数の性質
    ◦ ガンマ関数の使い道
        ▪ 病院の診察待ち時間
        ▪ n次元球の体積

第10章 重積分とは何か?
    ◦ 天気予報/物理学/CG(コンピュータグラフィックス)/経済学/医療
    ◦ 2変数関数
    ◦ 2変数関数のグラフ
    ◦ 体積とは?
    ◦ 重積分とは?
    ◦ n重積分
    ◦ 累次積分(重積分の計算法①)
    ◦ 極座標への変数変換(重積分の計算法②)

第11章 ガウス積分
    ◦ ガウス積分の実践(卒業試験)
    ◦ ガンマ関数と階乗の拡張

付録:画像集など

生成AI(NotebookLMやNano Banana Proなど)で遊んた成果を貼っておきます(このBlogに使用した画像もすべて生成AIで作ったものです)。

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【新刊】読むだけでわかる「微分」〜考え方から証明、そして大学数学まで〜 (ブルーバックス)

2026年1月22日に新刊『読むだけでわかる「微分」 考え方から証明、そして大学数学まで (ブルーバックス)』が出ます。

以下は出版社(講談社)が付けてくれた紹介分です。

多くの人がつまづく微分。それを入門編、中級編、上級編の3編に分け、読むだけで段階的に理解できる一冊にまとめました。
まずは、「微分」とは何か? その考え方を数学の歴史にも触れながら、わかりやすく解説していきます。入門編は、まさに読み物としての面白さがあり、タイトルの通り、「読むだけ」で微分の考え方、微分の基本がわかります。
中級編は、その数学的な証明から三角関数、指数関数、対数関数などの応用的な微分を解説。「なぜそうなるのか」を順を追って解説していくので、基本がより深く理解できます。「入門編」で理解したことをさらに深めることができます。
そして上級編は、「テイラー展開」から「オイラーの公式」まで。大学数学の入り口まで到達します。難しい内容も、ひとつひとつの概念をかみくだいて、丁寧に解き明かしていきます。

なぜ今、この本を書いたのか

微分は、学校では「公式を覚えて計算するもの」になりがちです。

でも、微分の本質は、そこじゃありません。

微分積分の中心テーマは、結局のところ「変化」です。

何がどのように変わっていくのか―その変化の詳細を捉えるための道具が微分であり、だからこそ本書は「関数」から始まります。 

たとえば日常には、関数の考え方があちらこちらに潜んでいます。

コーヒーを淹れる時間と水の量、働いた時間と報酬、気温の変化と服の選び方……「あるものが変わると、別のものがどう変わるか」を表すのが関数であり、ここから「変化」の読み解きが始まります。 

私がこの本を書いた理由は、ひとえに「変化の見方を渡したい」からです。変化の見方が変われば、社会の見え方も確実に変わります。 

本書は検定試験用ではありません。完璧に理解する必要もありませんし、途中で読み飛ばしても大丈夫です。 大切なのは、「変化をこう捉えるのか」「数学者たちは、こう考えてきたのか」という新しい視点を得ることです。 

「全部わかる」より先に、世界の見方が一段階アップする。

読者の皆さんがそう実感して下さることを目指して書きました。

本書は第一巻として、まず「変化を捉える技術」である微分を徹底的に掘り下げます。 「蓄積を捉える技術」である積分は来月発刊予定の次巻でじっくりと学んでいただく予定です。

ブルーバックスへの想い

ブルーバックスは、僕にとってまぎれもなく「知の入口」でした。

高校生の頃、本屋に行くたび、ブルーバックスの棚の前で「世界は、こんなにも広いのか」と胸を打たれたのをよく覚えています。

あのときの自分に、こう言ってやりたい。

「おい!未来のお前はブルーバックスで本を書いてるぞ。」

いちばん信じないのは本人でしょう(笑)。

だからこそ、感無量です。読者として育ててもらった場所に、今度は著者として戻ってこられました。感謝しかありません。

特徴その1:斬新な「3段階の学習システム」

本書の最大の特徴は、内容が明確に三つのレベルに分かれていることです。とは言っても単に難易度順に並べたのとは違います。

入門編」「中級編」「上級編」で、それぞれ別の学習体験と楽しみ方を提供する学習システムとして設計しました。

【入門編】物語とイメージでつかむ

入門編では、数式を極力避け、微分の「概念」「イメージ」を徹底的に磨き上げます。 

たとえば関数を「信頼できる自動販売機」として説明するところから始めます。 ボタン(入力)を押せば、必ず特定の飲み物(出力)が出る―その「信用できる感じ」が関数の最低条件です。

また、高校数学に登場する三角関数指数関数対数関数とはいったい何だったのかを、これらが生まれた背景に触れながら、イメージ最優先でお伝えします。

【中級編】「微分する力」を身につける


中級編は、いよいよ実技編

積・商・合成関数の微分など、実際の問題解決に必要な手法を扱います。 

もちろん、ただ公式を紹介するのではなく、「なぜその公式になるのか」を図解も交えて丁寧に導き出します。 理由を一つずつ確かめていくことで、「自分の数学力が上がっている」が体感できる―ここを大事にしました。

中級編までで理系の高校生が学ぶ内容は全て網羅します。

【上級編】深遠な美しさを体験する

上級編では、「連続」「極限」を厳密に定義し、大学数学に踏み込みます。 

デデキントの切断」「ε-δ論法」なども登場し、その内容はけっして易しくはありません。しかし、ご安心ください。できるだけかみ砕き、時にはイメージを膨らませる喩えも駆使しながら、ひとつひとつを丁寧に説明しました。

これらの論法が理解できたとき、あなたは、厳密性を担保するために人類が編み出した至高の概念に、名曲を聴いたときのような芸術性をも感じることでしょう。

そして、上級編の最後に待っているのが、「世界一美しい数式」と呼ばれる オイラーの公式 e^{i\pi}+1=0 です。 

ぜひ、この式が立ち上がる瞬間を思う存分味わってください。

そして、「世界一美しい」かどうかは、あなたが決めてください。

特徴その2:「暗号」から「言葉」へ

多くの人が微分でつまずき、色々な数式が「暗号」のように感じられてしまう原因には主に次の3つがあると思います。
  1. なぜそうなるのか、なぜ必要なのかという「本質」を見失ってしまう
  2. 現実世界との繋がりが見えない
  3. 全員が同じペース、同じ深さで学ぶことを強要され、個々の理解度に合わせた学習ができない
「3」については、上記の3段階学習システムで解消していただけるはずです。
さらに、「1」と「2」を壁を取り除くため、本書では、数式を「計算のため」ではなく「思考を深めるため」に登場させます。 ひとつひとつの式には必ず「なぜそうなるのか」という物語も添えました。
物語を得た数学は、もはや暗号ではなく、人類の編み出した「もっとも論理的で、もっとも簡潔な言葉」に変わります。 
ぜひ数式が語る言葉に耳を傾けてみてください。
微分が、この世界に何をもたらし、なぜ必要なのかがきっと分かっていただけると思います!

内容のハイライト:ここが見どころ!

(1)歴史との対話:人類と接線

実は、接線ーー曲線にただ一点で触れる直線――という概念を捉える技術は、数千年にわたり人類が磨き上げてきた「変化を数学的に理解する」ための普遍的な叡智なのです。

古代ギリシャで静的な図形の性質とされた接線は、ルネサンス期に運動を捉える「瞬間の速度」という動的な意味を持ち始めました 。

その後、デカルトやフェルマーによる数式化を経て、17世紀にニュートンとライプニッツが微積分学を確立し、接線は一般的な計算で求められる対象となります 。

静的な幾何学の対象だった接線が、「変化の一瞬を切り取る動的な概念」へ転換していく――この視点の転換こそが画期的でした。 ここには、ニュートンやライプニッツの発想の革命があり、読み物としてのドラマがあります。

現代においても、接線の応用範囲は極めて広いです。

たとえば、AIは、接線を使って「最適解」を見つけています。他にも、現代社会のあらゆる「改善」「最適化」「進歩」の根底には接線の概念があると言っても過言ではありません。

接線について詳しく知れば、微分の意義もより深くわかります。そこで本書では「人類と接線」について詳しく取り上げました。

(2)現代の中の関数と微分

現代社会において、さまざまな関数や微分がどのように活躍しているのかについても、随所に書きました。

たとえば、現代の音楽制作で使われるデジタル音響処理、MP3やAAC といった圧縮技術も、フーリエ変換という三角関数を応用した技術が使われていま す。音楽データの中の、人間の耳には聞こえにくい周波数成分 を数学的に特定し、削除することで、音質を保ちながらデータ サイズを劇的に小さくしているのです。

関数やその微分(導関数)は、(よく揶揄されるように)「社会に出たら役に立たないもの」などではなく、現代文明のインフラと言っても過言ではないことを、きっと実感していただけると思います。

 

(3)ε-δ論法を「ゴルフクラブの性能証明」で説明

理系出身者ですら苦手意識を持ちがちな「ε-δ論法」の意味を「ゴルフクラブの性能証明」の喩えで書きました。我ながらうまくいったと思っているところです。この部分だけでも読んでもらいたいです(笑)。

新しい扉を開くあなたへ

この本は、「数学が得意な人だけの本」ではありません。

数学が苦手だった方文系を選んだ方学び直したい社会人の方――誰もが安心してページをめくれるよう、細心の注意を払って書きました。 

そして私は信じています。

「変化」の捉え方が変われば、世界の見え方が変わる。 世界の見え方が変われば、人生も変わると(大げさなようですが、わりと本気です)。

この本が、あなたにとって新しい旅の始まりになることを、心から願っています。 

最後になりましたが、ブルーバックスという個人的に非常に思い入れの強いシリーズで本を出す機会をいただきましたことを、深く感謝いたしします。

目次(抜粋)

初級編
第1章 関数とグラフ
関数とは何か
関数とグラフの関係
平均変化率と未知の関数
人類と接線
 (デカルト/フェルマー/ニュートン/ライプニッツ)
第2章 いよいよ微分入門
微分とは何か
導関数の表し方
増減表とグラフの形
最大値・最小値
初等関数とは何か
第3章 三角関数とは何か
三角関数の歴史と語源
円による三角関数の定義
度数法と弧度法
三角関数のグラフ
現代を支える三角関数
 (波・角度と長さ・フーリエ展開)
第4章 指数関数・対数関数とは何か
「指数」の語源と指数関数的増加
指数関数とは何か
対数とは何か/なぜ対数が必要か
指数関数と対数関数の関係
・ネイピア数 e
指数関数・対数関数の微分
中級編
第5章 微分係数
微分係数の定義
極限とは何か
定義による微分
第6章 x^n の導関数とその導出
順列・組み合わせ
二項定理
微分公式の導出
定数の微分とグラフ理解
【第7章】 2回微分とグラフの凹凸
凸と凹の考え方
第2次導関数
第8章 積と商の微分公式
積の微分公式
商の微分公式
具体例による理解
第9章 合成関数とその微分
合成関数とは何か
合成関数の微分公式
計算例
第10章 微分の可能性
微分可能性と連続性
微分できない点
有名な定理と補足
第11章 三角関数の微分
三角関数の性質
三角関数の極限
三角関数の導関数
第12章 指数関数・対数関数の発展
指数の拡張(0・負・無理数)
指数関数・対数関数のグラフ
対数の性質と常用対数
指数関数・対数関数の導関数
x^r の導関数
上級編
第13章 連続とは何か
実数とデデキントの切断
極限と ε–δ 論法
近似の考え方
テイラー展開
オイラーの公式

付録:画像集

生成AI(NotebookLMやNano Banana Proなど)で遊んた成果を貼っておきます(このBlogに使用した画像もすべて生成AIで作ったものです)。

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【TV出演】TV東京「円卓コンフィデンシャル〜意思決定〜」

昨日(2025年11月8日)、テレビ東京で放送された『円卓コンフィデンシャル』に出演させていただきました。

この番組は、「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」と同じく、テレビ東京の報道局が手がける経済ドキュメンタリーです。毎回ひとつのテーマをもとに、同業・異業種の専門家たちが円卓を囲み、真剣に、そして時にユーモアを交えながら議論を交わします。

今回のテーマは「意思決定」

今年初めに刊行した拙著『【数学的】意思決定トレーニング 情報の整理から微分・積分的発想まで (PHPビジネス新書)』をご覧くださった番組スタッフの方からお声がけをいただきました。

ご一緒したのは、株式会社識学の代表取締役であり、ビジネス書のベストセラー作家でもいらっしゃる安藤広大さんと、ボストンコンサルティンググループ元日本代表で、早稲田大学ビジネススクールで長年教鞭を執られた内田和成先生。お二人とも、まさに「意思決定」のプロフェッショナルです。正直、私などが同席するのはおこがましい感じがしました。

MCは、「クイズ王」としておなじみの伊沢拓司さん、アンジャッシュの児嶋一哉さん、そして、テレビ東京解説委員の大浜平太郎さん。

共演者の皆さん、MCの皆さん、スタッフの皆さんのおかげで、収録は終始なごやかな雰囲気で進み、とても楽しい現場でした。

ちなみに余談ですが、伊沢さんは小学校と大学のダブルで同窓です。収録後にそのことをお伝えしたら、(特に小学校が同じということに)とても驚かれていました。

収録後の集合写真。なぜかファイティングポーズ(笑)

意思決定とは?

番組ではまず「意思決定とは何か」を問われました。これに対して私たちの答えは

  • 安藤さん:「水」(しなやかに変化するべきもの)
  • 内田先生:「経営者がするべき唯一のこと」
  • 永野:「客観的判断」(確固たるもの)

と三者三様でした。

私の「客観的判断」とは「バイアス(先入観)や感情をなるべく排除して論理的に導いた結論」を意味します。そのために、グラフ、割合、計算、確率、期待値、微分・積分等を直接活用したり、「数学的な考え方」を利用したらどうか、という提案です。

なぜ意思決定に数学が必要なのか?

いつも決断に自信がもてない人のための 【数学的】意思決定トレーニング 情報の整理から微分・積分的発想まで (PHPビジネス新書)

「意思決定に数学なんて本当に必要なのだろうか?」

そう感じる人は少なくありません。

数学は、人類が長い歴史の中で磨き上げてきた「論理的に考えるための道具」です。感情や経験だけに頼らず、筋道を立てて物事を判断する。そうした数学的思考力を駆使することでより確かな意思決定が可能になるのでは? と私は考えています。

現代は多様な価値観と膨大な情報が交錯する時代です。だからこそ、個人が自らの頭で考えて、判断を下す力が求められています。

一方、数学という学問は、「正しいことが明白な結論を導く努力の結晶」です。その中で培われた「考え方の型」や「問題を構造的にとらえる視点」は、ビジネスにおける重要な意思決定の局面でもきっと力を発揮するでしょう。

 

「数学的」意思決定については、過去記事↓もご覧ください。

見逃し配信&ネット限定配信リンク【テレ東BIZ】

番組では他にも

  • 牛丼チェーンの値下げ合戦。吉野家も値下げするべき?
  • トランプ大統領の意思決定は評価できる?
  • あれはヤバかった! と舌を巻いた意思決定の例
  • 意思決定に正解はある?
  • 過去に失敗した意思決定
  • 日本の年間書籍売上を見積もるには?
  • 相手に「イエス」と言わせるには?

などなど、様々なトピックについて、楽しく議論しました。

放送された番組と放送に入りきらなかった分の「配信限定版」は、テレ東BIZで配信されています。

「テレ東BIZ」は、テレビ東京が誇る経済番組の宝庫です。『ワールドビジネスサテライト(WBS)』『Newsモーニングサテライト』『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』といった看板番組が、見放題になります。5万本以上の経済動画アーカイブを持つ、日本最大級の経済動画配信サービスです。1週間の無料お試し期間もありますので、この機会にぜひご検討ください。

《放送版》

《配信限定版①》

《配信限定版②》

《配信限定版③》

この回では、私の著書をフューチャーしてくださっています。

《配信限定版④》

謝辞

この度、貴重な機会を与えて下さったテレビ東京のスタッフの皆さまには、改めて深く感謝申しあげます。収録前後のご連絡もきわめて丁寧で、かつお心遣いがあり、とても安心感がありました。

このような良い番組が、益々広く知られるようになり、長く続いていくことを、一ファンとして祈念しております。

ギャラリー

 

【番組出演】NewsPicks「2 Sides」〜「数学的思考力」の育て方〜(補足あり)

NewsPicksの番組「2 Sides」に出演させていただきました。

予告編

以下は番組の公式告知文です。

数字に苦手意識はありませんか?

データ活用やAIの進展により、ビジネスの現場では「数学的思考力」が欠かせない時代となっている。

感情や思い込みに左右されず、論理的に物事を捉える力は、意思決定の精度を高め、生産性を飛躍的に向上させる。

一方で、日本人の多くは数値化や読解に弱く、それが国際的な競争力を下げているとも指摘されている。

今回は、AIプロジェクト「ロボットは東大に入れるか?」を率いた数学者・新井紀子氏と、数学教育の第一人者である永野裕之氏を迎え、
ビジネスパーソンが今こそ学ぶべき「数学的思考力」の本質を徹底議論。

フェルミ推定に込められた7つの力、数値化の意義、未知の問題を解決するためのアプローチ、そして数学的思考が人生を楽にする理由とは何か。

議論を通じて浮かび上がるのは、複雑化する社会で成果を出し続けるための実践的なヒントである。

数字に背を向けず、論理で未来を切り拓くために、ビジネスパーソン必見の内容である。

感想

この番組は、加藤浩次さんの司会で、専門家同士が一つのテーマについて語り合う討論番組です。

光栄にも、AIプロジェクト「ロボットは東大に入れるか?」や、ベストセラー『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』でも著名な数学者でいらっしゃる新井紀子先生とご一緒させていただきました。

この番組は、「日本には議論が足りない」と、異なる視点をぶつけ合う「知の格闘技」を標榜する番組であり、過去のものを拝見すると、かなり激しく論戦している回もあります。正直ビクビクしておりましたが🫨、実際の収録は、新井先生や加藤さんがとても優しく対応して下さったおかげで、終始和やかに進みました😊

…というか、新井先生の知見とバイタリティーが素晴らしく、さすがにお話もお上手なので、私はほとんど聞き役でした。

私自身については、もっと落ち着いて話せば良かったなあとか、もっと良い別の言い方があったな…などの反省はたくさんあります。でも、それも含めて本当に貴重な経験でした。 何より、収録が(緊張はしましたが)とても楽しかったです。

この度、お声がけいただいたことに、この場を借りて深く御礼申し上げます。

番組のプログラム

以下は、公式に告知された番組のプログラムです。この中で新井先生の「シン読解力」、アンガーマネージメントと数学料理の献立と数学的思考など、様々な話題が出てきます。ぜひ、ご覧下さい🙇

0:00 オープニング
5:51 「数学的思考」とは何か?
9:52 今なぜ数学的思考力が必要なのか?
15:39 日常生活における「数学的思考」
20:59 テーマ②数学的思考力の身につけ方
29:50 数学的思考力を育てる習慣
34:25 ビジネスに役立つ「フェルミ推定」習慣
43:14 テーマ③数学を学ぶと変わることは?

動画のリンク

News picks

YouTubeのダイジェスト

補足

番組の中で、私の説明が足りないと感じた点を2点補足させていただきます。それは次の2点です。

  1. フェルミ推定と数学的思考力の7つの力の関係
  2. もどりま表(復習の仕方)
フェルミ推定と数学的思考力の7つの力の関係

数学的思考力の7つの力

数学的思考力とフェルミ推定の関係

フェル推定は普通、次の手順で行います。
まず初めに、推定したい量を見つけます。次に、その値が何によって決まるのかという仮説を立て、その仮説をもとに、推定値をいくつかの要素に分解して推定式を作ります。その後、分解した要素の一つ一つに具体的な数値を入れて、推定値を計算し、最後に、算出した推定値の妥当性などを検証します。

以上の手順には「数学的思考力」を成す7つの力の全てが必要です。それらは次のように関係しています。

①問題の発見…情報の整理
 ↓思考実験(具体化
②仮説を立てる…何によって決まるのか?(関数の発見=変換
 ↓さまざまな視点
分解…推定式は余計な情報をそぎ落としたもの。モデル化(抽象化
 ↓推定量とデータの決定(情報の整理具体化
④計算…数値化&算出
⑤検証…結果とプロセスについて「総合・説明

《参考記事》

もどりま表(最新版)

番組の最後に、大人の方が数学を学び直す際には、以下のの4つの分野の流れを意識すると良いことをお話ししました。

  1. 数と式
  2. 方程式
  3. 図形
  4. 資料の活用(統計)

下の「もどりま表」は、この4つの分野との中高の単元の関係を表したものです。

もともと「もどりま表」というネーミングは、昔NHKの「テストの花道」に出演させていただいたときに、プロデューサーの方が考えて下さったものですが、当時のものは現行の指導要領に合っていないので、ここに最新版を載せておきます。

《参考記事》

 

 

【ラジオ出演】LOGISTEED TOMOLAB. 〜TOMORROW LABORATORY(J-WAVE)

収録した六本木ヒルズ内の「けやき坂スタジオ」。

昨日(5/24)、J-WAVEの「LOGISTEED TOMOLAB. 〜TOMORROW LABORATORY」に出演させていただきました。

女優さん・モデルさんとして活躍されている井桁弘恵さんがナビゲーターを務められているこの番組の趣旨は以下の通りです。

私たちそれぞれの周りにある困りごとは "未来を明るくするヒント"
明るい明日につながるヒントを研究するラジオ番組という「ラボ」誕生。


ラジオを「ラボ」に見立て、"大きな主語"で語られる社会問題を「私たちそれぞれの身近にある困りごと」という "小さな主語"にかみ砕き、ラボの仲間「フェロー」を毎週迎えながら、明日・未来を明るくするヒントを研究。
それぞれにしっくりくる、一歩踏み出したくなるアクションへと結ぶ “ ハブ ” を目指します。

(引用:公式HPより)

今回のテーマは「大人になって考える“数学”」

たっぷり1時間(収録は90分くらい?)、お話させていただきました。

話題は

  • 算数と数学の違い
  • 数学の始まり
  • 数学的思考力
  • 音楽と数学
  • 理系の人材不足
  • フェルミ推定

等、多岐に渡りました。

ナビゲーターの 井桁弘恵 さん(早稲田大学人間科学部卒をご卒業)は、とても聡明な方で、しかも理系でいらっしゃるということで大変話しやすかったです。

自分の声がラジオから聞こえてくるのは、小恥ずかしいですが、素晴らしい編集のおかげで私の拙い話が、とてもよくまとまっていたように思います。

貴重な機会を頂きましたことを、この場をお借りして深く感謝申し上げます🙇

前から思っていましたが、私はラジオという媒体がとても好きです。そのことを今回改めて実感しました!

番組公式Instagramより

注)以下のInstagramの画像が出ていない場合は、リロードしていただくと出てきます。

告知
グラレコ

スタッフの方が描いて下さった「グラレコ」お話した内容が見事にまとまっていて、驚きました!すごいですね。

 

聞き逃し用リンク

Podcastリンク

※6月1日追記

関連記事

今回お話した内容と関連する当ブログの記事です。

【登壇】第2回数学教育フェス

先日、第2回数学教育フェスに登壇させていただきました。

「数学教育フェス」とは

数学教育に携わる人々は皆、「数学嫌い」を1人でも減らしたい、という思いで日々試行錯誤しながら奮闘しています。このフェスは、そのような悩みを共有し、共に学び、子供達を笑顔にする活力を得るために始まったもので、数学教育への熱意を持つ仲間を作ることを目的としています。

その意気込み通り、第2回目となる今年(2025年)の講師陣も超豪華です。

日本で最も有名な数学教師と言っても過言ではない「数学の伝道師」秋山仁先生をはじめ、代ゼミの名物講師にして熱狂的なファンが跡を絶たない荻野暢也先生、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』でも取り上げられた「算数・数学教育の開拓者」井本陽久先生、翠嵐高校の東大合格者数を一桁台からV字回復させた中村悠人先生、そして、「数学のお兄さん」として多数のメディアで活躍されている横山明日希先生という錚々たるメンバー。この中に私も入れていただき、光栄の極みでした。

登壇された講師の方々は、さすがに皆さんお話がお上手でした。そして何より、講演の内容が素晴らしかったです。私も拝聴して、夜も眠れなくなるほどモチベーションが爆上がりしました!

横山明日希先生(左)と中村悠人先生(右)

小倉悠司先生(左)と荻野暢也先生(中)と迫田昂輝先生(右)
井本陽久先生(左)と秋山仁先生(右)

数学教育フェスコミュニティ

今回、参加できなかった方もご安心ください。

この度、数学教育フェスのオンラインコミュニティがローンチされました! メンバーになれば、1回目と2回目の講演の動画が自由に見られるだけでなく、コミュニティ限定のオンラインセミナー(毎月開催)に参加したり、セミナーに登壇された先生方や全国の仲間と交流できるオンラインに飲み会に参加したりもできます。ご興味のある方は、是非アクセスしてみてください。


https://www.fan.salon/mathedufes/

感じたこと

AP日本橋」という大変立派な会場に、全国津々浦々から300人(!)の数学教師の方々が集まった会場は、凄まじい熱気で、ただただ圧倒されました。そして、全国にはこんなにも数学教育に熱い想いを寄せる方々がいらっしゃることに、心震えました。

数学の力は、ただ受験を突破するためだけにあるわけではなく(もちろんそれも重要ですが)、科学技術を支え、人の思考力を磨き、世の中や人生を豊かにするためにあります。
いみじくも秋山先生がおっしゃっていましたが、「数学は人類を救う」のです。「数学教育フェス」で、そう心から実感できたことは、私にとっても、かけがえのない財産になりました。

また秋山先生の「世界は、数学の先生を切望している」とのお話も刺さりました。私なりに何かできないか、真剣に考えてみたいと思います。

この素晴らしいフェスを企画・運営されているのは、迫田昂輝先生小倉悠司先生です。お二人とも、ご自身が日本を代表する数学教師のお一人であるというだけでなく、300人を集客することに成功し、全国の数学教師の期待と情熱を一手に引き受ける凄まじいバイタリティーとコミュニケーション能力の持ち主です。会場でも司会、設営統括、来場者のアテンドと奔走されるお二人に、ただただ感心しました。

また、この度お声がけ頂いたことに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

第3回も待ち遠しいですし、オンラインコミュニティも発足しました。数学教育に情熱を持つ人の輪が拡がっていくのは本当に素晴らしいことだと思います。もし私に何か出来ることがあれば、微力ながらお手伝いしたいと思っています。

 

講演に使ったスライド(一部)

当日の写真

素敵な会場。広い!

熱気ムンムンでした!
講演中! 緊張はしたけど、楽しかった〜。

この中に僕がいます。どこでしょう?(笑)

打ち上げ会場も大きなお店を貸し切り!

「数学のお兄さん」横山明日希先生先生と。気さくに話しかけて下さいました。
後ろには「数学教師芸人」のタカタ先生も見えます(この後ご挨拶しました)。

当日のパンフレット。色々とセンスがすばらしい。
登壇者だけもらえる金のネームプレートもなんだか嬉しいです。

 





【新刊】【数学的】意思決定トレーニング(PHPビジネス新書)

2025年1月17日に新刊『いつも決断に自信がもてない人のための 【数学的】意思決定トレーニング 情報の整理から微分・積分的発想まで (PHPビジネス新書)が出ます。

出版社の内容紹介

以下は出版社がつけてくれた内容紹介です。

数字に強くなる。論理に強くなる。

意思決定の精度を高めるトレーニング

本書は、意思決定の質を高めるために「数学」を活用することを提案する。数学は、長い歴史の中で磨き上げられてきた「論理的に考えるための道具」だからだ。

意思決定を感覚や直感だけに頼ると、思い込みやバイアスが入り込み、誤った判断をしてしまう。一方、数学的な思考を取り入れれば、情報を正確に整理し、選択肢を客観的に比較できるようになる。

表やグラフで複雑なデータを視覚的に整理する方法からゲーム理論、確率、統計まで、意思決定に直結する数学をやさしく解説。

あなたの意思決定を劇的に変える、数学のススメ

最近、身の回りのあらゆる場面で「決断」を迫られることが多くて、疲れていませんか?

仕事で、家庭で、プライベートで…毎日、大小さまざまな決断の連続ですよね。

「あの時、別の選択をしていたら…」

なんて後悔したこと、一度はありませんか?

そんなあなたに朗報です!

この度『【数学的】意思決定トレーニング 』という本を出版いたしました!

「え、数学?難しそう…」と思ったそこのあなた!心配ご無用です。

本書は、数学が苦手な方でもスラスラ読めるように、数式は最小限度におさえて、日常生活やビジネスシーンで役立つ数学の考え方をやさしく解説しています。図版もできるだけたくさん入れました。

数学を学ぶ意義

なぜ「数学」が意思決定に役立つのか?

それは、数学が長い歴史の中で磨き上げられてきた「論理的に考えるための最高の道具」だからです。感覚や直感に頼った意思決定は、思い込みやバイアスに左右されやすく、誤った判断を招きがちです。

しかし、数学的な思考決定を身につければ、情報を正確に整理し、選択肢を客観的に比較できるようになり、より合理的で精度の高い意思決定が可能になります。

また、本書は「なぜ数学を学ぶのか?」という問いに対する、私なりの答えでもあります。

「もともと文系に進学するつもりだったから、数学なんて必要なかった」

「社会に出たら、数学なんて使わない。数学を勉強させられて損した」

そんな、数学に恨み(?)を持つ人にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

多くの社会人にとって数学そのものを忘れてしまうことは何の問題もありません。しかし、数学を通して身につく考え方は非常に重要です。それがあれば、たとえば「意思決定」もこんなにも楽になるということをお伝えしたくて本書を執筆しました。

私のライフワークは、数学を学ぶ意味や意義をお伝えすることです。そのために、色々な本を書いてきました。それらの中から特に汎用性の高いエッセンスを抽出し、さらに新しい内容もふんだんに加えて書き上げたのが本書です。まさに、これまでの集大成と言えます。

本書で学べること

本書では、表やグラフを使ったデータの整理術から、ゲーム理論、確率、統計まで、意思決定に直結する数学の知識を、4部構成、全11章にわたってわかりやすく解説しています。

第Ⅰ部:数字の基礎力を鍛える

  • 情報の整理術(分類、表、グラフ、図解、チェックリスト)
  • 割り算、割合、単位量あたりの大きさの理解
  • 計算(暗算)テクニック
  • 数値化の重要性と方法(定量化、フェルミ推定など)

第Ⅱ部:論理的思考を磨く

  • 論理の基本(定義、必要条件と十分条件、対偶、背理法)
  • 掛け算的発想(マトリックス、次元の拡張)
  • ゲーム理論の基礎(囚人のジレンマ、交互進行ゲーム)

第Ⅲ部:確率と統計を味方につける

  • 確率の正しい理解(数え上げ、確率計算、期待値)
  • 統計の活用(平均、標準偏差、仮説検定)

第Ⅳ部:思考力を深める

  • 具体と抽象の行き来(思考実験、比喩、帰納と演繹)
  • 微分・積分的発想

本書の特徴(1)

本書はどのセクションも「問題→数学的内容の解説→問題の解答→問題の解説」という構成になっています。

上の画像は本書に収められた「問題」の例です。

ただし、収録されている問題は、気軽なものばかりではありません。むしろ、わざと抽象度の高い問題を含めました。

それは、読者の皆さまに「自分なりに考える」という体験をしていただきたいからです。

本書の問題に取り組む中で「なぜそうなるのか?」「他に方法は考えられないか?」と自問自答し、試行錯誤するプロセスこそ、数学的思考力を鍛えるための貴重な経験となります。

本書の特徴(2)

本書では、抽象的な概念も具体的な例を交えて解説しているので、数学に苦手意識がある方でも、楽しみながら読み進められます。

たとえば、

  • 「4種類のグラフの使い分け方」で、データの性質に合わせた最適なグラフの選択方法が学べます。
  • 「フェルミ推定」では、一見難しそうな問題も、論理的な推論で概算値を導き出す方法をマスターできます。
  • 「囚人のジレンマ」では、ビジネスにおける協調関係の難しさを、ゲーム理論を通して理解できます。
  • 「微分・積分的発想」では、物事の変化を捉え、未来を予測するためのヒントが得られます。

また、AppleNikeIKEAセブン- イレ ブンといった大企業で行われた数学的な意思決定の例も、 ふんだんに盛り込みました。

こんな方にオススメ!

この本を読めば、あなたもきっと…

  • 数字に強くなり、データに騙されなくなる!
  • 論理的思考力が身につき、問題解決能力が向上する!
  • 意思決定の精度が上がり、自信を持って行動できるようになる!

ビジネスパーソンから学生まで、あらゆる方におすすめの一冊です。

ぜひ、本書『数字に強くなる。論理に強くなる。意思決定の精度を高めるトレーニング』を手に取って、「数学」の力であなたの意思決定力をレベルアップさせてください!

謝辞

本書の執筆は、私自身にとっても、改めて数学の魅力と可能性を考える貴重な時間となりました。このような機会を与えてくださったことに、心より感謝申し上げます。

とりわけ、本書の執筆を支えてくださった編集者の山口毅氏と岸正一郎氏には、深く感謝の意を表します。

 

 

新刊『一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書』(SBクリエイティブ)

6/2に新刊『一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書』(SBクリエイティブ)が出ます。

出版社の内容紹介

以下は出版社がつけてくれた内容紹介です。

1つのストーリーで読む新感覚の数学の教科書!

【累計100万部突破シリーズ最新刊! 】

数学の勉強といえば、

「たくさんの公式や解法をひらすら暗記!付け焼刃の知識で問題演習!」

というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

結局ぜんぶは覚えきれず、挫折してしまった人も多いかもしれません。

でも本当は、数学の勉強に公式の丸暗記なんて一切不要! 中学で習う、図形、数と式、確率、関数、統計、の5単元をそれぞれの歴史的「起源」から学ぶことで、バラバラで意味不明だった数学の知識が1つのストーリーでつながります。

現役の中学生からロジカルシンキングを身につけたい社会人まで、必読の1冊!

情報を視覚化する、虫の目と鳥の目で見る、差や比を考える……数学的着眼点を養えば、経験したことのない問題に対して最適な解決法を見つけられる。

文系・理系を問わず、必要不可欠な数学の力を、「解く喜び」を感じながら獲得できる画期的な一冊。

どうしたら数学ができるようになるか?

職業柄、「どうしたら数学ができるようになりますか?」と聞かれることが多いです。

そんなとき私は決まって「暗記しようとしないことです」と答えます。

公式を暗記し、そこに数字をあてはめて問題を解く、という行為は数学的ではありません。

テストが終われば丸暗記した公式は忘れてしまうでしょう。 反対に、「なぜそういう結論になるのか」というプロセスに目を向けられるようになれば、数学は、いずれ忘れてしまう知識ではなく、忘れたくても忘れられない知恵になります。

今回、大ヒットシリーズである「一度読んだら絶対に忘れない」の数学編の執筆依頼を頂戴したときは、大変嬉しく思いました。私が日頃、数学教師として最も大事にしていることをお伝えできるテーマだったからです。

「エピソード記憶」こそが勉強のコツ!

数学を「絶対に忘れない」知恵にするための方法をお伝えする前に、人間の記憶について簡単に紹介させてください。

人間の記憶は、概ね上の図のように分類されます。この中で勉強に関係するのは「長期記憶」の中の「宣言的記憶(顕在記憶)」です。

宣言的記憶(顕在記憶)は、さらに「意味記憶」「エピソード記憶」に分かれます。

意味記憶というのは、いわゆる丸暗記です。「フランスの首都はパリ」のような一般的な知識や概念に関する記憶です。ただし、意味記憶として長期記憶を作るには反復しかありません。何十回、何百回と繰り返し出会った知識がやっと長期記憶になるというわけです。

一方のエピソード記憶は「小学校4年生の夏休みにおばあちゃん家に行って縁側でスイカ食べたなあ」のような個人的な経験や出来事に関する記憶のことをいいます。一度体験しただけなのに、ずっと覚えているというのがエピソード記憶の特徴です。

本来エピソード記憶はなにかを実際に体験したときに作られる記憶ですが、映画や小説などを通じてバーチャルに経験したことでも、エピソード記憶になる可能性があります。確かに、一度しか見ていない映画や小説の筋をずっと覚えていることってありますよね。

ここに勉強のヒントがあります。

ポイントは「ストーリー」です。

人間は、ストーリーのあるものを、エピソード記憶として一生忘れない記憶にすることができます。

では、数学のストーリーとはなにか?

それは「証明」です。

どんな定理や公式も「証明」というストーリーがわかれば、「絶対に忘れないもの」になります。

意味記憶(丸暗記)に頼って何十回、下手したら何百回も反復する勉強は大変です。それでいて、数学のように理解を求められる教科では効果があがりません。一方、勉強にエピソード記憶を取り込めれば、1回で(多くても数回で)内容を記憶できる上に、本質を理解できます。

「証明」が重要なもう1つの理由

『一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書』より

数学において証明が重要な理由はもう一つあります。

それは、「数学のセンス」が身につくことです。

教科書に載っている定理・公式の証明には、3000年に及ぶ数学の歴史の中で、各時代、世界で最も数学ができた天才たちの気付きやアイディアが詰まっています。

数学のセンスを身につけるうえで、これ以上の模範はありません。

実際、入試問題を含め、色々な数学の問題を解いていると、定理・公式の証明に登場する考え方・発想を使うものが非常に多いことに驚きます。

入試の最頻出問題は、「定理・公式の証明」であると言っても過言ではありません。

ですから、私は本書の執筆にあたり「証明」に最もこだわりました。プロセスを省いて「こういうことになっています」と単なる知識を紹介することは徹底的に避けたつもりです。

たとえば、三角形の合同条件や球の体積を求める公式は、中学の教科書には証明が載っていませんが、これらについても紙幅の許す限り丁寧に説明しました。

数学史は学び直しのモチベーションになる

『一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書』より

「一度読んだら絶対に忘れない」という強力なコンセプトを実現するために、証明の他に用意したストーリーがもう一つあります。それは、数学史です。

本書は、それぞれの時代の文明と共に育まれてきた数学の歴史をサブストーリーとして取り込み、全体を1つの物語として展開しています。

これによって、一見バラバラに見える内容が繋がり、ある一端をつかめば、まるで地引き網のように数学の全体をたぐり寄せられるようになるでしょう。

また数学史は、大人が数学を学び直すモチベーションも高めてくれます。

学生は新しいことを学ぶことに慣れているので、一々「なぜこれを学ぶのか?」と疑問を持ちません。しかし大人はそれを学ぶ理由が分からないとなかなか先に進めないものです。

そんなときは「どうしてその数学が生まれたのか?」という歴史に目を向けることをお薦めします。そうすれば、それぞれの数学の必然性が明らかになり、数学を学ぶ意欲が湧いてきます。

本書の紹介

『一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書』より

各章の内容を簡単に紹介してまいりましょう。

第1章の「図形」では、古代ギリシャで発展し、ユークリッドの『原論』にまとめられた幾何学(図形)の内容を扱います。

『原論』がその後2000年以上も読み継がれ、欧米の知識階級の常識になったことからもわかるように、図形についての学びの中には論理的(数学的)に考えることのすべてがあると言っても過言ではありません。

それだけに、この章は全体の中で一番難しいです。本書は歴史を縦糸にしている関係で、「図形」が1章に配置されていますが、他の章を終えてから1章に戻ってきていただくのも良いでしょう。 図形を通して論理(ロジック)を学ぶ事こそ、中学数学を学ぶ最大の肝であると考えてください。

第2章の「数と式」では、インドやイスラム世界など非ヨーロッパ圏で発展した数学、特に負の数を含む計算方程式の解法因数分解平方根の扱い方などを紹介します

第3章の「確率」では、中世ヨーロッパの貴族社会の中でギャンブルが盛んになったことで生まれた確率の基礎について学びます。

第4章の「関数」は、16〜17世紀の科学革命の引き金となったデカルトによる座標平面の導入に焦点を当て、代数学と幾何学の統合から関数の概念の登場、そして(中学の内容を逸脱しますが)微分積分へと至る道筋もたどります。

最後に第5章の「統計」では、18〜19世紀の近代国家の形成、20世紀のコンピュータの発達に伴うデータマイニングのニーズを通して発達した統計の基礎を学びます。

今や統計リテラシー(統計を理解し使いこなす能力)は社会人の必要不可欠な素養になりました。そこで本書では中学の範囲を超えて「標準偏差」「正規分布」「推測統計」などの発展的な内容も扱います。

目次(抜粋:クリックで拡大します)

数学のボトルネックは割り算

『一度読んだら絶対に忘れない数学の教科書』より

私は社会人を対象とした「大人のための数学塾」を開いていますが、生徒の皆様のお話を伺うと、割り算の理解がボトルネックになっているケースは本当に多いです。

数学を暗記で乗り切る、という悪しき習慣は

「距離÷時間=速さ」や「質量÷密度=体積」

のような式の意味がつかめずに丸暗記してしまったところから始まっているのではないでしょうか?

そこで本書では割り算を中心的に扱う「算数のおさらい」という序章を設けました。割り算の2つの意味分数の割り算割合など、大人でも理解が難しいテーマを詳しく解説しています。

謝辞

この度、『一度読んだら絶対に忘れない』シリーズの数学編を執筆させていただく機会を頂戴しましたことを、改めて深く感謝申し上げます。

累計100万部を超える大ヒットシリーズということで、非常に光栄です(それだけにプレッシャーもありましたが…)。

私は30年にわたる教師生活を通して、数学に苦手意識を持つ方に寄り添い、サポートしてきました。数学が苦手な方の躓き処は熟知しているつもりです。

本書にはこれまでに培ってきた数学を教えるノウハウを詰め込めたと自負しています。

と同時に、表面的な易しさだけを求めるのではなく、基礎を徹底し、読者の皆様が数学の本質ともきちんと向き合えるように最大の注意を払って書きました。

本書を通じて、数学が「忘れたくても忘れられない」知恵になることを願ってやみません。

最後になりましたが、本書編集担当の山田涼子さんには、心からの感謝の意を表したいと思います。山田さんは、常に細やかな配慮をもって執筆のサポートをしてくださいました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。