永野裕之のBlog

永野数学塾塾長、永野裕之のBlogです。

【数に強くなる】20%現金値引きと20%ポイント還元。お得なのはどちらでしょう?

先日友人に「現金値引とポイント還元ってどっちの方がお得なの?」と聞かれました。

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巷に溢れる「◯◯%現金値引き」と「◯◯%ポイント還元」。これらが同じだと思っていると損をしてしまうかもしれません。「数字を比べることができる」というのは、「数に強い人」の条件でもあります。ここでは割合を使って比べてみましょう。

問題

A店は20%現金値引き。B店は20%ポイント還元。お得なのはどっち?

解説

仮に、定価1万円の商品を買ったとします。

A店は20%現金値引きですから1万円の価値のものを8000円で得たことになります。
得た価値に対する払った金額の割合

 

\begin{align}
\displaystyle \frac{払った金額}{得た価値} = \frac{8000}{10000}= 80% \ 
\end{align}

→ 20%の得

B店は20%ポイント還元なので、1万円を払うと1万円の商品と2000円分のポイントが手に入ります。これは、1万2000円分の「価値」を1万円で得たことになりますから、

\begin{align}
\displaystyle \frac{払った金額}{得た価値} = \frac{10000}{12000}≒ 83% \ 
\end{align}

→ 約17%の得

答え

現金値引きのA店の方がお得です!!

おまけ

ちなみに、25%のポイント還元であれば、

\begin{align}
\displaystyle \frac{払った金額}{得た価値} = \frac{10000}{12500}= 80% \ 
\end{align}

→ 約20%の得


で、20%の現金値引きと同じ「得」になります。

割合の説明

「△の◯に対する割合を考える」というのは、「◯を100%にして△を比べる」という意味です。
△の◯に対する割合は次式で定義されます。

△の◯に対する割合=△÷◯= \displaystyle \frac{△}{◯}

△の◯に対する割合は「△は◯のどれくらいか?を表した数」と言うこともできますから、この割り算は(少し難しい言い方をすれば)包含除の意味の割り算*1です。

《参考記事》

関連書籍

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*1:△÷◯の割り算には他に「△を◯等分した数」という意味の「等分除」もあります。