The Habitable Exoplanets Catalog - Planetary Habitability Laboratory @ UPR Arecibo
NASAの研究チームが昨日(2013年4月18日)、系外惑星探査機「ケプラー(Kepler)」の観測によって、地球とよく似た環境にある惑星を太陽系の外に3個発見したと発表しました。
そのうち、半径が地球の約1.4倍の「ケプラー62e(Kepler-62e)」と同約1.6倍の「ケプラー62f(Kepler-62f)」は、温度が極端に高くも低くもなく、液体の水が存在する可能性のある、いわゆる「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」内にあるそうです。
(注:ハビタブルゾーンについては過去記事→「奇跡の星、地球」)
ケプラー62eとケプラー62f
Image credit: NASA Ames/JPL-Caltech
今回発見されたケプラー62fとケプラー62eは、地球から約1200光年離れた恒星系「ケプラー62」のハビタブルゾーンに属する惑星です。特に「ケプラー62f」の大きさは地球のわずか1.4倍で、これまで見つかった系外惑星としては最も小さく、地球に最も似ています。また、ケプラー62eの大きさは地球の約1.6倍で、ハビタブルゾーンの端に位置しています。
Image credit: NASA Ames/JPL-Caltech
これはデザイナーによるコンセプトイメージ。手前の大きな星がケプラー62fで、その奥に眩しく光る星が主星(ケプラー62)、その右側に小さく輝いている見えるのがケプラー62eです。
「第2の地球」が見つかり始めたのはごく最近のこと
太陽系の外にある惑星(系外惑星)は、近くに明るい恒星があるため観測が困難で、1990年代の初めまでは全く見つかっていませんでした。最初に見つかったのは1992年。観測技術の向上により、その後は続々と見つかっていますがほとんどは巨大なガス惑星であるホット・ジュピターや極端な楕円軌道を持つエキセントリック・プラネットであり、地球とよく似た環境にあるいわゆる「第2の地球」が見つかるようになったのはごく最近のことです。
現在(2013年4月19日)までに見つかっている「第2の地球」は、
- Gliese 581d(2007年)
- Gliese 581g(2010年)
- Kepler-22b(2011年)
- Gliese 667Cc(2011年)
- Gliese 163c(2012年)
- HD 40307g(2012年)
- Tau Cetie(2012年)
- Kepler-62e(2013年)
- Kepler-62f(2013年)
で、計9個です。ちなみにこれまで「第2の地球」候補とされてきた HD 85512 bとTau Cetifは、ハビタブルゾーンの基準を満たしていないとして最近除外されました。
地球型惑星と木星型惑星
私たちの太陽系に属する8つの惑星は上の表のように地球型惑星と木星型惑星に分かれます。一番大きな違いは地球型惑星の主成分が岩石なのに対して、木星型惑星の主成分はガスであることです。ちなみに上図は拙書『大人のための中学数学勉強法』より引きました。なんで中学数学の本に「太陽系惑星の分類」が載っているのかって?…これは「分類」は隠れた情報を引き出す優れた方法だというところの説明で例として挙げたものです(^-)-☆
あ、話が逸れましたねm( )m
地球型惑星と木星型惑星の違いは太陽からの距離の違いによって生じたと言われています。太陽からの距離が近い地球型惑星は温度が高いため、ガスが吹き飛ばされ、岩石の惑星になりました。一方、太陽からの距離が遠い木星型惑星は温度が低いためにガスが残り、ガスが主成分の巨大惑星になった、というわけです。
今回見つかったケプラー62fとケプラー62eも地球型惑星で岩石が主成分です。生命を育む海のような環境がある可能性もあるそうです!さらにNASAは、上の9つ以外にも「第2の地球」になる可能性がある系外惑星が18個あるとしています。
近い将来、宇宙の中で私たち人類が孤独ではないことが判明するかもしれません(^-)-☆。