私はプロの指揮者としても活動をしています。よく色々な方から 「数学塾と指揮者なんて2足のわらじは大変でしょう」 と言っていただきますが、実は私の中では2つの全く別のことをしている、という意識はありません。指揮者としてスコア(楽譜)を読むことと、数学の数式を読み解くことはとても似ています。 モーツァルトやベートーヴェンやヴェルディやプッチーニやマーラーやといった過去の「天才」たちが遺してくれた数々の名曲のスコアを読み解くとき、そこにある「論理」に私はいつも感動をします。 音楽には~特に西洋音楽は~ハーモニー(和音)があります。1つのメロディにどのようなハーモニーを付けるかで、音楽の感じられ方は大きく異なってきます。そして、ハーモニーにはゆるぎない「論理」があります。ヨーロッパの文化において「論理」は欠かすことのない重要なファクターであると思います。 もちろん、人を感動させる芸術は論理だけでは成立しません。論理の前にあるのは「これを伝えたい!」という「心」であることは言うまでもないことです。 しかし、それは数学とて同じことです。数式は自然界が語る「言葉」ですから、数式には必ず「メッセージ」がこめられているのです。そのメッセージを感じ取る感性がない数学者や物理学者は決して一流の研究者になれません。 このように数学と音楽は2重の意味で重なっていると思うのです。いずれこのお話はもっと詳しく書きたいと思っています。
永野数学塾-東大卒講師の個別指導-神奈川県大和市中央林間