永野裕之のBlog

永野数学塾塾長、永野裕之のBlogです。

宇宙・地学

カッシーニが撮る土星による日食とペイル・ブルー・ドット(宇宙の美しい写真ギャラリー付)

Image credit:NASA/JPL/Space Science Institute 上の写真(CGではありません!)は土星探査機のカッシーニが2006年に撮影したものです。この時はカッシーニ、土星、太陽が一直線に並んだため「土星による日食」となり、上のような幻想的な写真になったわけ…

あれから10年…はやぶさ打ち上げ記念日

(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA) ちょうど10年前の今日(2003年5月9日)、宇宙科学研究所(現JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられました。はやぶさは2005年夏にアポロ群の小惑星イトカワに到達しその表面を詳しく観測、サンプル採集を試みた後…

数と宇宙の大きさを実感する

photo credit: THEfunkyman via photopin cc 「1兆まで数えるとどれくらいかかる?」 先日、長女(5歳)にこう尋ねられたので、その場で概算をしてみました。 「1秒につき1ずつ数えたとして(←桁が増えてくると追いつかないでしょうが…)、1時間が3600秒で1…

「第2の地球」続々発見!

The Habitable Exoplanets Catalog - Planetary Habitability Laboratory @ UPR Arecibo NASAの研究チームが昨日(2013年4月18日)、系外惑星探査機「ケプラー(Kepler)」の観測によって、地球とよく似た環境にある惑星を太陽系の外に3個発見したと発表しま…

ペルセウス座流星群と流れ星の正体

明日(8月12日)~明後日(8月13日)にかけて、3大流星群の一つである「ペルセウス座流星群」が活動のピークを迎えます。この流星群は明るい流星が多く、途中で爆発を繰り返すものもあり、「花火のように派手な流星群」とも言われています。数ある流星群の中…

宇宙のインフォグラフィック

NASAのジェット推進研究所(JPL)とカルフォニア工科大学が協力してスタートさせたJPLインフォグラフィックのサイトが素晴らしいです! [参考記事⇒NASAが公募、宇宙のインフォグラフィック(WIRED JAPAN)] このサイトは、NASAが画像を提供し、作品を公募…

ブルームーン

今夜は満月です。そして、今月は31日も満月です。このようにひと月のうちに2回満月が見られる時、その2回目の満月のことを「ブルームーン」といいます。 月の満ち欠けの周期は平均約29.5日で、現在世界中で広く使われているグレゴリオ暦では月の初めに満月…

オーロラ(地球の見る夢)

[アイルソン空軍基地上空のオーロラ(アメリカ合衆国アラスカ州)]今月12日に起きた大規模太陽フレア(過去記事⇒X-1.4クラスの太陽フレア発生!)により放出されたコロナ質量放出(太陽フレアによって放出されるプラズマの塊)は7/14に地球に到達しました…

一直線に並ぶ星々

[A Morning Line of Stars and Planets(←クリックで画像元:NASA)] 上の写真は、南アメリカ西部のアタカマ砂漠で夜明け前に撮られた写真です。 左から順に、プレアデス星団(昴)、木星、金星、アルデバランがほぼ並んで見えています。 下の写真は今月7…

X-1.4クラスの太陽フレア発生!

一昨日、太陽フレアの記事をアップしました(過去記事⇒太陽フレアの脅威)が、昨日、太陽に巨大な黒点群(AR1520)が観測され、25%の確率で24時間以内に大規模なフレアが生じると報じられました(⇒NASAが大型の太陽黒点群を観測、巨大フレア発生の可能性も…

太陽フレアの脅威(人類の滅亡?)

「○○年○月○日に世界が滅亡する」という終末思想はいつの時代も世間を騒がします。 もちろん、ノストラダムスの大予言をはじめこれまでそういった類の「予言」は当たったことがありませんが(私たちは生きています!)、近いところでは「2012年12月23日世界滅…

火星から送られてくる写真

先日、NASAが火星の巨大クレーターの超高解像度パノラマ写真を公開しました。(タイトルをクリックすると画像元のより大きな画像が見られます) Greeley Panorama on Marsこれは、現在火星で活動しているNASAの太陽電池式の探査機「オポチュニティ」が撮影し…

天の川(七夕に寄せて)

[Milky Way Above Easter Island]今日は七夕。天の川を隔てて引き離されてしまった織姫と彦星が、カササギの翼にのって川を渡り、年に一度の逢瀬を楽しむ日です♪と、いうことで今日は天の川について書きたいと思います。残念ながら今夜は本州の大部分が雨…

月の本当の姿を求めて

皆さんは月の色を何色だと思っていますか? 月の色といえば、白(あるいはやや黄味がかった白)という印象を持っている人が多いと思いますが、それは皆さんが月のカラー写真をほとんど見たことがないからです。月は衛星であり自分で光ることはないので、太陽…

ヒッグス粒子について

「ヒッグス粒子とみられる粒子発見」のニュース(⇒NHK NewsWeb)が大きな話題になっています。(^_-)-☆ 「ヒッグス粒子」という名前は昨年末くらいから「発見間近!」と騒がれて、よく耳にするようになりましたが、一体どんな粒子なのでしょう?一言で言えば…

1054年の超新星爆発

これは「かに星雲」の写真です(ハッブル宇宙望遠鏡提供)。 かに星雲は、おうし座にある超新星爆発の残骸で、地球からの距離は約7000光年。現在も膨張を続けています。 「超新星爆発」とは太陽の8倍以上の重さを持つ恒星が、自らが持つすべての燃料を燃やし…

相対性理論超入門(アインシュタイン記念日に寄せて)

今日はアインシュタイン記念日。 1905年に、アインシュタインが相対性理論に関する最初の論文「運動物体の電気力学について」をドイツの物理雑誌『アナーレン・デル・フィジーク』に提出した日です。ちなみに当時のアインシュタインはスイス連邦特許局の無名…

土星の環(リング)

先日、木星の環(リング)について書きましたが、環(リング)を持つ惑星として代表的なのはやはり土星ですね。そこで今日は土星の環について書きたいと思います。太陽系の惑星の中で環(リング)を持つのは木星、土星、天王星、海王星ですが、土星のリング…

夏至に一番暑くならない理由

今日は夏至です。 一年の中で一番昼が長く、太陽の高度が最も高くなる日です。 地球には四季の変化があるのは、地球の地軸が傾いているからだと理解している人は多いと思いますが、一方で 「日照時間が一番長いはずの夏至の日に最も暑いわけではないのはどう…

木星の環(リング)

NASA 上の幻想的な画像は、木星探査機ガリレオから送られてきた、木星による日食の画像です。普段はなかなか確認することのできない木星の環(リング)を見ることができます。 木星の環(リング)環を持つ惑星と言えば、土星が有名ですが、実は木星にも環は…

水星にミッキーマウス!?

NASA 「水星でミッキーマウスが発見された」米航空宇宙局(NASA)がこんなタイトルの画像を発表しました。これは、水星探査機「MESSENGER」が撮影した画像です。"ミッキー"は水星の南半球にあるクレーター「Magritte」の北西部分にいます。著作権は大丈夫で…

ワープは可能か?

今日はワープについて(^_-)-☆ ワープ(warp)とは「ねじ曲がる」という意味で、時空のゆがみを利用した長距離超光速航行のことを言います。超光速航行にはこれまでたくさんの方法が考案されていますが、今日はスタートレックにおけるワープに近い「ワープバ…

星の色

星空を見上げていると、いろいろな色をした星があることに気づきます。 赤っぽい色をした星があったり、青っぽい色をした星があったり、黄色い星があったり…このように星に色の違いがあるのはなぜでしょうか? まず、大きく分けて惑星(衛星)と恒星ではその…

奇跡の星、地球

NASA 昨日太陽に最も近く灼熱の惑星であるはずの水星に氷が存在していることが米探査機の画像により明らかになった、とのニュースが流れました(以下は記事の引用)。太陽に最も近く、灼熱の惑星である水星に氷が存在するという仮説を、米水星探査機「メッセ…

火星の太陽面通過

Astronomy Picture of the Day(NASA)この太陽の画像の中に小さ~い火星が写っています。 見つけられますか?(画像はクリックで拡大します) これは2003年に火星が太陽面を通過した時の画像です。火星は左から右に移動しています。火星が太陽面を通過するの…

星の一生

ESA 去年、アンドロメダ銀河での星の誕生と死の現場を同時にとらえた画像を、欧州宇宙機関(ESA)が公開しました。アンドロメダ銀河は地球のある銀河系と同じ渦巻き銀河で肉眼で見られる人気の天体ですが、ESAの担当者によると「これまで壮大な宇宙のドラ…

地球上のわずかな水

Astronomy Picture of the Day(NASA) NASAでこんな画像が発表されました。これは地球上に存在するすべての水を球状にまとめた時の様子を表しています。この「水の球」の半径は月の半径の半分以下にしかなりません。私たちの地球に存在する水はこんなにわずか…

宇宙の色

ALMA望遠鏡上の写真は、地球から最も近い衝突銀河である触覚銀河(アンテナ銀河)の画像です。これはチリのアタカマ砂漠にあるALMA望遠鏡のデータ(赤、黄、ピンク)にハッブル宇宙望遠鏡で撮影した可視光画像(青)を合成したものです。ALMA望遠鏡は、特に…

彗星と1910年のハレー彗星パニック

NASA 1910年の今日(5月19日)、ハレー彗星が接近し、地球が彗星の尾の中に入りました。この時、地球の酸素がなくなる等のデマが相次ぎパニックが起きたそうです。…ということで今日は彗星と1910年のハレー彗星パニックについて書いてみたいと思います。 天…

金環日食についてまとめました!

JAXAデジタルアーカイブスいよいよ来週月曜日に迫った金環日食!この世紀の天体ショーについては語り尽くされた感もありますが、それだけに「今さら聞けない」日食の仕組みや、金環日食と皆既日食の違い、観測の方法、日食の歴史などをまとめてみました。週…