永野裕之のBlog

永野数学塾塾長、永野裕之のBlogです。

【終演】テオ・ドーロ歌劇団『愛の妙薬』を終えて

去る7月6日と7月7日に、テオ・ドーロ歌劇団の第3回公演『愛の妙薬』が、無事終演しました。

1日経った今日もまだ興奮冷めやらない感じですが、今の気持ちをBlogに残しておきたいと思います。多分に自画自賛になるかと思いますが、ご容赦ください(笑)。

本番は、とにかく皆さんの集中力が高くて、指揮への反応がとてつもなく良かったです。本番中、オーケストラの皆さんとも、合唱の皆さんとも、もちろんキャストの皆さんとも本当にしょっちゅう目が合いました。

「今、全員で一緒に音楽を作っている!」と心から感じられる本番だったこと、指揮者としてこんなに嬉しいことはありません!

お客様のご感想

1日目のカーテンコール

2日目のカーテンコール

終演後に私に届いた感想は…

  • オペラは初めて観たけれど、こんなに楽しいものだとは思わなかった
  • 今まで観たオペラの中で一番楽しめた
  • ネモリーノとアディーナが結ばれて泣いた
  • 松原さんが本当の涙を見せているかのようで(本当に泣いてた??)一緒に泣いた
  • 「人知れぬ涙」で鳥肌が立った…
  • オーケストラの演奏がプロかと思うほど上手だった
  • オーケストラがよく鳴っていた
  • オーケストラの音がイキイキと集まってて、感動で涙がでてきた
  • アマチュア主体とは思えないほど、音楽的に充実していた
  • 打楽器の迫力がすごかった
  • サービス精神に溢れた演出で楽しめた
  • 助演の彼が舞台を盛り上げてくれていた
  • 喜劇の中にホロリとさせるノスタルジーがあって、深い「愛の妙薬」だった
  • 普段は二足のわらじで別のお仕事されている方々がこれだけのものを作り上げるなんて本当にすごい
  • たくさん刺激をもらいました。私も頑張ります!
  • 人の声のすばらしさをあらためてかみしめた
  • 合唱の皆さんがそれぞれ個性的なお芝居をしていて面白かった
  • クスっと笑えることもあって、楽しかった
  • 字幕がありがたくて、ストーリーがよくわかった
  • 1日目と2日目でせりふが微妙に違ってて面白かった
  • プログラムが可愛くて、内容も面白かった
  • 立派で素敵なホールだった

などなど…非常に良いものばかりでした!!

本番中笑ってた?

1日目の終演直後

それから、オーケストラの皆様や合唱の皆様からは口々に「永野さんの笑顔がよかった」と言っていただきました。自分としてはまったく無意識だったのですが、本番を振りながら私自身がむちゃくちゃ楽しませてもらっていたのがバレました(笑)。

また、舞台上でネモリーノとアディーナが結ばれて、ネモリーノが(演技では無く本当に)号泣しているのを見たときは、こちらもこみあげるものがあり、釣られないようにするのに必死でした(スコアが滲んで見えて危なかった…)。

それだけ、様々な感情がほとばしる舞台芸術ならではの良さが出た公演だったと思います(自画自賛!)。

今回の公演は、私にとっては久しぶりの指揮、そしてオペラは超久しぶりでした。

出演が決まってからは、まずは「指揮者の筋肉」を取り戻すためにいわゆる「叩き」の練習(指揮棒を持って、剣道の竹刀のように振り下ろす練習)をしたり、立ちっぱなしの稽古や本番にも耐えられるよう、スコアの勉強は常に立ったまま行ったりしました。

正直プレッシャーもすごかったですし、重い責任に負けそうになるときもありましたが、オーケストラの皆様、ソリストの皆様、合唱の皆様が本当に温かく迎えてくださって、なんとか本番を迎えることができました。

この場をお借りしてテオ・ドーロ歌劇団の皆さんに心からの感謝を申し上げます。

打ち上げの席上、誕生日の近い私のために、コンミスの伴奏で皆さんがHappy Birthdayを歌ってくださったことにも、感動しました!

やっぱり音楽!

2日目の公演前の直し稽古

テオ・ドーロ歌劇団は、アマチュア主体のオペラ上演団体で、ソリストが普段はお医者さんだったり、整体師さんだったり、SEさんだったりすることに驚きました。オーケストラや合唱の皆さんも普段は別のお仕事をされています。

仕事も家庭もある中で、大好きな音楽に情熱を傾けられているその姿に、私自身も多くを学びました。

一方で、演出家の舘亜里沙さんやテノールの松原陸さん、助演の木之枝棒太郎さんのようなプロの力が入っていることが、公演の完成度を飛躍的に高めてくれてことも間違いありません。

舘さんは、愛妙を単なる喜劇に終わらせない演出プランだけでなく、それを実現させるための稽古の進め方も素晴らしかったです。演者の一人一人と目線を合わせながら稽古をつけている姿を拝見して、彼女が各所から引っ張りだこの理由がよく分かりました。

陸さんの日本人離れした美声と舞台での華と豊かな表現力、さらに棒太郎さんの表と裏での八面六臂の活躍も本当に凄かったです。

そして、アマチュアの中にプロのエッセンスが絶妙のバランスで入った公演を成功に導いたのは、やっぱり音楽の力だと、今回つくづく感じました。

音楽が、ネットでは伝わらない(AIには作れない)感情の渦を生みだし、そこにたくさんの人の情熱が集まることで実現した舞台。やっぱりオペラは最高ですね!

間もなく50歳になるという人生の節目に、本当に大切なこと、分かっていたはずだけれどどこか忘れかけていたことを、改めて思い出させてくれる本番でもありました。

そんな貴重な機会を与えて下さったテオ・ドーロ歌劇団の皆様、本当にありがとうございました!

名場面集(テオ・ドーロ歌劇団のFacebookページより)

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