昨日放送の『テストの花道(NHK Eテレ)』に出演させていただきました。昨年の8月、10月、12月に続き4度目の貴重な機会に恵まれた事に感謝しています。今回のテーマは『今がチャンス!花道流基礎固め術』。私は全国の塾や予備校の先生が「高校1年生や2年生が今のうちにやっておくべきこと」として挙げられた項目のランキングについてコメントさせていただきました。
数学の基礎固めランキング
気になる数学の基礎固めランキングはこうでした。
数列について
数列に関連する基礎固めのポイントは以下の5つです。
- 等比数列の和の公式は忘れてしまう公式ワースト3の 1つ(永野数学塾調べ)。
- 階差数列、漸化式を通して「相対化(引き算)」の極意をつかむ。
- 漸化式の様々な解法は数学的な考え方の宝庫(丸暗記せずに意味を考える)。
- Σ計算の訓練。
- 数学的帰納法(数列の単元の最後)の意味と使い方を理解する
等比数列の和の公式、大丈夫ですか?(^_-)-☆こういうものでしたね。
ちなみにワースト3の残り2つは
- 二項定理
- 点と直線の距離の公式
です。不安な人は是非復習しておいてくださいね!(`・ω・´)ゞ
二次関数について
三角関数、指数関数、対数関数、微分・積分などあらゆる場面に顔を出す二次関数に関連する基礎固めのポイントは以下の4つです。
- 「最大値・最小値問題」の取り組み方を学ぶ。
- 関数におけるグラフの重要性を認識する。
- グラフの平行移動の基礎を学ぶ。
- 平方完成(という式変形)の習熟。
数学の「基礎」とは何か
数学の場合、基礎を固めると言っても公式や解法をただ暗記するだけでは不十分です。公式と解法については次の2つを守りましょう。
・公式:証明ができるようにする。
・解法:なぜそうすると解けるのかを考える。
常々申し上げている通り、数学というのは「未知の問題に対応できる力」を養う学問です。上の2つはそのための、まさに『基礎』になります。
応用問題を解くために必要なこと
[ Wikipedia ]
鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーはかつてこう言いました。
大きな問題に直面したときは、その問題を一度に解決しようとせずに問題を細分化し、その1つ1つを解決するようにしなさい。
「基本問題はできるけれど応用問題が解けない」
と悩んでいる人は少なくないと思いますが、数学の場合応用問題が解けるようになるコツは次の2つです。
・“そもそも”の最初に戻る
・困難を分割して考える。
行き詰まったときは、原理・原則・定義に立ち戻る。これは数学のみならずすべての問題解決の基本であると私は考えます。逆に言えば、見たことのない問題を解こうとするときには
「円周率とは“そもそも”何か?」
「方程式とは“そもそも”何か?」
「関数とは“そもそも”何か?」
等の「最初」に戻ることが答えへの糸口を与えてくれます。
また、数学が得意な人は異口同音に
「どんな応用問題も基本問題の組み合わせに過ぎない」
と言います。もちろん世界中の人が寄ってたかっても歯がたたないような正真正銘の難問も世の中にはありますが、少なくとも大学入試レベルにおいては「難問」と言われる問題のほとんどは、基本問題の組み合わせに過ぎないことがほとんどです。
“そもそも”の最初に戻るにせよ、基本問題に分解するにせよ必要なのは本当の意味での基礎力です。逆にしっかりとした基礎力さえあれば、応用問題はきっと解けるようになります。
頑張ってください!
応援しています!!∩(・∀・)∩ファイト♪
※再放送は、2月22日(土)午前10時~10時30分です。