永野裕之のBlog

永野数学塾塾長、永野裕之のBlogです。

語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(16族 酸素・硫黄篇)

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photo credit: M+M Photographers via photopin cc

 
永野数学塾の「虎の巻」を公開する「語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学」シリーズ2回目の今日は、16族の非金属、酸素・硫黄篇です。

このシリーズをまとめたものは↓

元素周期表(16族)

まずは酸素から。

酸素O

地殻中に最も多く含まれる元素。

同素体(同じ元素からなる単体で性質の異なる物質)をもつ。

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酸素の同素体

O2(酸素) 

  • 無色・無臭。
  • 空気中におよそ20%含まれる。

O3(オゾン)

  • 特異臭のある淡青色の気体。
  • 酸化作用がある。
  • オゾン層では紫外線を吸収する。

次は硫黄です。硫黄も酸素と同じように同素体を持ちます。
また、硫黄ではその化合物に重要なものが多いのでしっかりと押さえておきましょう。

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硫黄の同素体

硫黄の同素体には、斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄の3つがあります。

S8(斜方硫黄)硫黄環状分子

  • 環状分子。
  • 黄色。
  • 塊状。
  • 常温で安定。

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(orthorhombic) Sulfur Photo by fluor_doublet

 

S8(単斜硫黄)硫黄環状分子

  • 環状分子。
  • 淡黄色。
  • 針状。
  • 高温で安定。

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S(ゴム状硫黄)硫黄鎖状分子

  • 鎖状分子。
  • 黄色。純度が落ちると、黒褐色となる
  • ゴム状。

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※ ゴム状硫黄は長らく黒褐色ということにされていたが、2009年に山形県の1人の高校生が純度が高ければ上の写真にあるような黄色いゴム状硫黄が得られることを実験で確かめた。指導教員が教科書の出版社に訂正を申し入れ、教科書が訂正されることになった。

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つぎは硫黄の化合物です。

 

硫黄の化合物

H2S(硫化水素)

  • 無色・腐乱臭
  • 弱酸性
  • 有毒。

SO2(二酸化硫黄)

  • 無色・刺激臭
  • 水に溶けて弱酸性
  • 漂白作用
  • 有毒。

通常は還元剤として働くが、H2Sに対しては酸化剤

H2SO4(硫酸)

  • 希硫酸は強酸
  • 濃硫酸には希硫酸にはない以下の4つの性質がある(濃硫酸は強酸ではないことも注意)。

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※ 「不揮発性」とは沸点が高く気体になりづらい(蒸発しづらい)ということである。ちなみに濃度98%の濃硫酸の沸点は327℃。

 

硫黄の酸化数について

ちょっと進んだ話をしましょう。
硫黄単体と硫黄の化合物の酸化数は以下の様になっている。

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これを見ると、硫化水素(H2S)はこれらの中で最も低い酸化数なので、これ以上酸化数が小さくなることはできない。したがって、酸化数は増えるしかないので、酸化されやすい。すなわち還元剤として働く。また二酸化硫黄(SO2)は酸化数ゼロの硫黄より酸化数+6の硫酸(H2SO4)の方が近いので普段は酸化数が増える傾向にある(還元剤として働く)が硫化水素(H2S)が相手の時は硫化水素が還元剤としてしか働けないので酸化剤として働く。